アルディーノ
グレイスケールジェネレーター


アルディーノの開発ボードが400〜500円くらいで手に入るという話を聞いて、触発されました。アマゾンで取り敢えず目に入った「KKHMF UNO R3開発ボード USBケーブル付属 Arduinoと互換」498円、送料無料というのを注文、ついでに「Arduino UNO R3 透明 アクリル エンクロージャー ケース 薄型 コンパクト」278円送料無料を注文しました。
 やがて届いたのが写真のようなものです。注文するときは何に使うか、決まっていません。取り敢えず出来そうなLチカを試してみます。たんにチカチカでは面白くないのでファシクミリ(アマチュア・ファクシミリ)の位相信号のタイミングで光らせてみることにしました。120回転のアマチュア・ファクシミリに合わせて500msec毎に25msec点灯するというものです。

 アクリルケースは組み立てが簡単です。ラズパイのケースもこれを参考に作り直してみようかと思います。底板のほぞ穴に側板のほぞを差し込む形で組み立てます。そこにアルディーノ基板をはめ込み天板で蓋をします。四隅にビス用の穴が開いているのでそこに付属の2mmのビスを差し込みナットを締めると完成です。

あちらこちらのwebサイトにはLED点滅(Lチカ)のサンプルスケッチ(プログラム)と実験例が掲載されているので、それを参考にすれば簡単に実行することが出来ます。とはいってもブレッドはボードに抵抗とLEDを取り付けてジャンパー線で接続する必要があります。この方法が多いようです。
 しかし、基板上にあるLEDを使う方法が記載されているサイトがいくつかあります。デジタル側の13番ピン接続されたLEDを点滅させるのです。
 「Arduino IDE」という開発ツール(無料)をダウンロードして使います。PCにインストールして立ち上げれば直ぐ使うことが出来ます。サンプルプログラムを読み込み、USBで接続したアルディーノに書き込みます。書き込みが終了するとそのままLEDが点滅を繰り返します。極めて簡単なので拍子抜けするくらいです。

このLED点滅の間隔をmsec単位で書き変えファクシミリの位相信号のタイミングに変更します。
 これが出来るなら、1500Hzの音をこのタイミングで出し、残りの時間を2300Hzにすればまさにファクシミリの位相信号になります。PWM出力の一つ3番ピンとGNDピンにスピーカーを直接接続します。そのままで大音量の音が出ます。
 ならば、1回転当たり475msecの2300Hzを他の周波数(1500Hz〜2300H)で変化させればグレースケールが出るはずです。というわけで50Hz刻みにしてみました。位相信号の前と後は白の部分をやや多めにとり、位相信号とグレースケール部分とが区別できるように設定します。

位相信号もグレースケールも出るには出ますが、実際にMultiPskやFldigiなどのFAX受信ソフトで受けてみると位相もグレースケールも大きく斜めに流れてしまいます。周波数を切り替えるのに時間がかかって計算通りにはいきません。
 発音時間をmsecで設定したのでは調整しきれません。μsecに変更してこの値を微調整して120回転に合わせることにしました。
 スピーカーから音は出ますが、実際にグレイスケールジェネレーターとして使うにはこのままというわけにいきません。オーディオ信号としてラインで取り出し、レベルも適切に設定できるようにする必要があります。
 ボリュームとジャックが必要になります。出力信号は矩形波ですから、簡単なローパスフィルターもつけたいところです。そこでユニバーサル基板に回路を組みます。ピンコネクタを使って基板を重ねようとするとこれがうまく合いません。デジタルピン側のコネクタが二つに分かれていてこの間隔が2.54mmではないのです。通常のユニバーサル基板の2.54mmピッチのものは使えません。

アルディーノを教えてくれた知人が持っていたものを横取りしたのがアルディーノ専用のユニバーサル基板です。これはピンコネクタの配置がアルディーノのそれと完全に一致しています。ピンが15mmと長く、アクリルケースに入れたままのアルディーノのピンソケットに積み重ねるようにして差し、取り付けることが出来ます。
 この「プロトタイプ PCB ボード」はとそれに合うリード長15mmの基板用ピンソケット4個セットが1枚100円程度でアリエクスプレスで売られていると教えられ、筆者も2枚注文してみました。他のサイトでは10枚単位のところが多いのですが、ここは1枚単位でも購入可能なので大変ありがたいです。

グレースケールとしてのプログラムは、起動信号、白位相信号、黒位相信号、グレースケール、終了信号という順に送出できるようにしました。ただし起動信号と終了信号は出ることは出るのですが、実際に受信を開始もしくは停止させることが出来ません。計算通りにはいかないのでテストを繰り返し修正する必要があります。位相信号は実際のファシクミリより長く出るようにしあります。

実際に信号をPCに入れてMultipskで受信している様子を動画にしてあります。Multipskでは起動信号がうまく働き自動受信をしてくれています。停止はMultipskの自動停止を有効にしているので、停止信号が効いてているわけではありません。この辺は細かい調整をする必要があります。

 
Arduino互換基板
 USB 2.0 Type BコネクタとDC電源コネクタが実装されている。

Arduino互換基板
 USBコネクタの手前にある炊くとスイッチはリセットスイッチ。

アクリルケースのパーツ
 厚さ2mmの透明アクリル板をレーザーカッターで切り抜いたもの。
アクリルケースにはめ込んだアルディーノ
 側板のほぞを底板に差し込んで組んである。右の天板の保護シートを剥がして側板のほぞに差し込む。基板をサンドイッチ状に挿むようにして4隅のネジで固定する。

アクリルケースに入れたアルディーノ
 側板のほぞを底板に差し込んで組んである。右の天板の保護シートを剥がして側板のほぞに差し込む。基板をサンドイッチ状に挿むようにして4隅のネジで固定する。

アルディーノ用のユニバーサル基板
 アリエクスプレスでプロトタイプ PCB ボードはとそれに合うリード長15mmの基板用ピンソケットが4個セットになっていて1枚100円程度で売られている。

ユニバーサル基板に組んだスイッチと音声出力回路、部品面
 付いてきた足の長いピンソケットを取り付けてある。右上が音量調整用のボリューム、右手前が音声出力用の3mmジャック。

ユニバーサル基板に組んだスイッチと音声出力回路、半田面
 付いてきた足の長いピンソケットを取り付けてある。左上が音量調整用のボリューム、左手前が音声出力用の3mmジャック。

アルディーノ本体に差し込んだ音声出力回路基板
 ロングピンのおかげでケースの天板を外さずに取り付けることが出来る。音声出力のプラグとUSBコネクターを差し込んである。電源はUSBで供給できる。

出力信号をPCに入れてMultipskで受信した画面
 Multipskだと起動信号がうまく働き自動受信を開始してくれる。Fldigiでは起動しないので修正が必要と思われる



出力信号をPCに入れてMultipskで受信する動画

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